松沢哲郎・京都大学高等研究院特別教授 履歴書
Prof. Tetsuro Matsuzawa

松沢哲郎
まつざわ てつろう


京都大学高等研究院・特別教授、京都大学霊長類研究所・兼任教授
理学博士


1950年、愛媛県松山市生まれ。1974年、京都大学文学部哲学科卒業、理学博士。1978年から「アイ・プロジェクト」とよばれるチンパンジーの心の研究を始め、野生チンパンジーの生態調査も行う。
チンパンジーの研究を通じて人間の心や行動の進化的起源を探り、「比較認知科学」よばれる新しい研究領域を開拓した。2016年3月に京都大学霊長類研究所を退職、同年4月、京都大学高等研究院特別教授に就任。
公益財団法人日本モンキーセンター所長、国際霊長類学会会長。
著書に『想像するちから』(岩波書店2011年、第65回毎日出版文化賞受賞、科学ジャーナリスト賞2011受賞)など多数。
2004年紫綬褒章受章、2013年に文化功労者。

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研究概要
人間の心の進化的起源を明らかにするために、チンパンジーを対象にした野外研究と実験研究をおこなった。実験研究では、彼らの数や言語の能力の萌芽を実証し、超短期記憶の存在を明らかにした。主な研究対象となったチンパンジーにちなんで「アイ・プロジェクト」と呼ばれる研究である。コンピューター制御の実験システムを駆使して知覚・認知・記憶・概念などを、まったく同じ装置で同じ手続きによって人間とチンパンジーを比較する手法を確立した。1978年4月に開始したアイ・プロジェクトは、1群3世代のチンパンジーの群れ全体を対象とした、知識と技術の世代間伝播の研究に発展している。一方で、野外研究としては、野生チンパンジーに石器使用の文化のあることを発見し、それが世代を超えて伝播し、「教えない教育・見習う学習」と呼ぶ学習メカニズムがあることを見出した。西アフリカ・ギニアの世界自然遺産であるボッソウ・ニンバの森の研究である。ボッソウの1群を対象にした通年の研究体制を確立し、1986年から継続する長期観察研究によって、野生チンパンジーの道具使用の文化や、その基盤となる親子やなかま関係を明らかにした。こうした研究を通じて、人間の心の進化的起源を実証的に探究する「比較認知科学」と呼ばれる新しい学問分野を創出した。人間と動物という二分法を超えて、人間とそれ以外の動物をひとつのつながりとして捉える新しい人間観を実証的に提示した。

研究の詳細は、以下のホームページをご覧いただきたい
チンパンジー・アイ:http://langint.pri.kyoto-u.ac.jp/ai/
ボッソウ・ニンバのチンパンジー:http://greencorridor.info


チンパンジーのアユム。数字を1から9まで順番に触る課題で、一瞬だけ見せても数字とその位置を記憶できる。

現職
京都大学高等研究院・特別教授
京都大学霊長類研究所・兼任教授
文部科学省博士課程教育リーディングプログラム「京都大学霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院」・プログラムコーディネーター
中部学院大学・客員教授
中部大学創発学術院・特別招聘教授・コーディネーター
公益財団法人 日本モンキーセンター・所長
京都大学学士山岳会・会長


国際霊長類学会・会長 (International Primatological Society. 任期:2012-2016)
国際心理学会第31回大会・プログラム委員長(31st International Congress of Psychology [ICP2016]. 2016年7月横浜で開催)

研究
科学研究費特別研究推進研究・課題代表者
日本学術振興会研究拠点形成事業A.先端拠点形成型 「心の起源を探る比較認知科学研究の国際連携拠点形成」・コーディネーター
京都大学ブータン友好プログラム・代表世話役
大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)・事業代表者

大学運営
京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリ・運営委員会委員長

学術誌
Primates, Editor-in-chief
Philosophical Transaction B, Royal Society, UK, Editorial board member
International Journal of Primatology, Associate editor
Animal Cognition, Associate editor
Interaction Studies, Associate editor

社会貢献
中部学院大学・客員教授
立命館大学・招聘教授
中部大学・特別招聘教授
文部科学省 共同利用・共同研究拠点に関する作業部会委員
全国「山の日」協議会・副会長
日本学術会議・連携会員(23-24期、平成32年まで)

学歴および職歴
1969.04
京都大学文学部入学
1974.03
京都大学文学部哲学科卒業
1974.04
京都大学大学院文学研究科修士課程入学
1976.03
同上、課程修了:文学修士(京都大学)
1976.04
京都大学大学院文学研究科博士課程進学
1976.11
同上、中途退学、
博士学位:理学博士(京都大学)1989年取得
1976.12 -
2016.03
京都大学霊長類研究所
1976年12月16日
助手に採用される
1987年9月16日
助教授に昇任
1993年9月1日
教授に昇任
2016年3月31日
定年退職
(2006年4月~2012年3月 所長, 2009年4月~2015年3月 国際共同先端研究初代センター長)
2016.04.01
京都大学高等研究院 特別教授 就任

主な栄誉

1991年、秩父宮記念学術賞
1996年、中山賞特別賞
1998年、日本心理学会研究奨励賞
2001年、ジェーン・グドール賞
2004年、中日文化賞
2004年、日本神経科学会時実利彦記念賞
2004年、紫綬褒章
2011年、科学ジャーナリスト賞
2011年、毎日出版文化賞
2013年、文化功労者
2014年、日本心理学会国際賞特別賞


連絡先
勤務先1 京都大学高等研究院 特別教授
〒606-8501 京都市左京区吉田牛ノ宮町
電話:075-753-9792  Fax: 075-753-9790


勤務先2 文部科学省博士課程教育リーディングプログラム「京都大学霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院」(PWS) プログラムコーディネーター
北部総合教育研究棟(益川記念館)401号室
(PWS支援室: 〒606-8203 京都市左京区田中関田町2-24関田南研究棟・京都大学野生動物研究センター3階)

勤務先3 京都大学霊長類研究所 兼任教授
〒484-8506 愛知県犬山市官林41 京都大学霊長類研究所 思考言語分野
電話:0568-63-0547  Fax: 0568-62-2428


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